漢字クイズ(テーマ・平仮名成立)結果

12月10~14日の回答割合は次の通り(★が正解)。

京都市「中京区」 ちゅうきょうく 14% なかぎょうく★ 81% なかみやこく 5%
草仮名 くさがな 34% くさかりな 9% そうがな★ 57%
真名 しんみょう 21% しんめい 6% まな★ 73%
高野切 こうやぎり 46% こうやぎれ★ 41% たかのきり 13%
おん 19% 30% む★ 51%

この週は「平仮名成立」がテーマでした。
石川九楊著「日本書史」(名古屋大学出版会)より

ところで皆さん、平仮名という言葉について書くときどう表記していますか。「ひらがな」か「平仮名」か、はたまた「平がな」か。平仮名についての本の題名はほとんど「ひらがな」となっています。出題者も実は「ひらがな」という表記の方が好きです。しかし問題は「かな」だと前後の別の「かな」とまぎれてしまいやすいことです。いまそう書いたようにカギカッコをつけるという方法もあるのですが、それもややうっとうしい。というわけでここでは「平仮名」という表記で統一させていただきます。

この週は京都市中京区で発見された「最古級の平仮名」のニュースをもとにした出題でした。平仮名がテーマなのに漢字を意味する「真名」を出しましたが、この言葉は仮名が誕生しなければありえないので、このテーマから外れるものではないと思います。正解率73%のうち「ははーん、今日が漢字の日だから真名だな」と解説を読む前にぴんときた方は相当な漢字通でしょう。

しかし「草仮名」57%は、専門用語とはいうものの、もう少し上がっても不思議ではないと思いました。仮名が草書体の漢字から生まれたので、その「草(そう)」かと見当がつけば、言葉は知らなくても正解できたかもしれませんから。

どういう漢字がどういう仮名になったか、その対照表は学校かどこかでご覧になったことがあると思います。 しかし全部覚えているという人はまれでしょう。たとえば「ん」はどの漢字からきたか分かる人はどれくらいいるでしょうか。

答えは「无」。しかし当然ながら、漢和辞典で「无」の字を引いても「ん」は読みとしては載っていません。「ん」が无から成立したとしても、无という漢字クイズの読みとしては成り立ちません。そこで「む」を正解にしました。「南無阿弥陀仏」などの「無」の代わりに「无」を使う例は珍しくありません。ただ、写真(紀貫之が書いたと伝わる「自家集切」)を見る限りでは「む」より「ん」の方が近いような気もします。

なお「ん」については「ん 日本語最後の謎に挑む」という本(新潮新書)が出ています。一冊本ができるほど「ん」は謎と魅力にみちた存在なのですね。

写真に使った「日本書史」には「高野切」についての詳しい解説もありますが、高価なので購入には「ひらがなの美学」(新潮社「とんぼの本」)がおすすめです。やはり石川九楊さんの著作。この方は書家ですが、日本語、日本文化に関する旺盛な著述活動でも知られています。今回のテーマと関係ない蛇足になりますが、「日本書史」には校正に関する記述がありますので引用します。奈良天平時代の写経についてです。

「『人間は間違う』という前提で、これを生業(なりわい)にする校生という職をつくり、校正という仕事が重要視された。人間は間違う、それゆえいかに間違いを回避するかの組織をつくったのである。これにひきかえ、現在のインターネットにおいては校正が制度化されておらず、厖大(ぼうだい)な誤情報がとびかっている」

当ブログでは誤情報を流さないよう気をつけたいと思います。
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