漢字クイズ(テーマ・国語調査)結果

10月29日~11月2日の回答割合は次の通り(★が正解)。

向津具 こうしんぐ 23% むかつく★ 32% むつぐ 46%
真逆 しんぎゃく 14% まさか★ 84% まじぎれ 3%
割愛 かつあい★ 97% さきあい 2% わりあい 2%
凡例 はんれい★ 86% ばんれい 2% ぼんれい 12%
若気る にやける★ 54% はじける 15% わかぶる 30%


この週のテーマは「国語調査」。9月に発表された文化庁の2011年「国語に関する世論調査」にちなんだ出題です。

といいつつ、いきなり「向津具」という地名から入り「調査では腹が立つことを『むかつく』と言う人が過半数となったが、それとは全く関係ない」と書いてしまいました。毎日新聞の社会面でも月曜に「週刊漢字・読めますか?」という題で同じく漢字クイズを出しているのですが、それを読んでくださった方のブログで「おい、関係ないんかい!」というナイスな突っ込みをいただきました。

直前にこうも書かれています。「『向津具半島には奈良時代に中国から楊貴妃が流れ着いたという伝説がある』だと。実際見たら、えらいブスだったんでむかついた、というオチじゃないやろな」。いや、真面目に応えるのもなんですが、楊貴妃のいたころ「腹が立つ」意味で「むかつく」が使われていたとは思えません。ただし江戸時代には既にそういう用例があるようです。

というわけで、文化庁は毎年、変わりつつある日本語の実態を探るために世論調査を行っています。結果の概要は文化庁のホームページで見ることができます。ちなみに「国語に関する世論調査」の「世論調査」は「よろんちょうさ」と読みます。この言葉は「せろん」とも読むので、文化庁調査の場合決めているかどうか電話で確認しました。

「真逆」はクイズとしては「まぎゃく」以外の選択肢で読みを尋ねたものですが、国語調査は「正反対」のことを「真逆(まぎゃく)」と言うかどうかが眼目です。この問題は当ブログでも「『真逆』…使いますか?」という題で取り上げました。

「割愛」も国語調査では読みではなく、使い方を聞いています。「例文:説明は割愛した」と示したうえで「不必要なものを切り捨てる」「惜しいと思うものを手放す」の選択肢を選ばせるもの。本来と違う使い方である前者が圧倒的に多いという結果が出ています。しかしこれは選択肢の書き方がいかがなものかと思います。「説明は手放した」とは言いませんから、例文にそぐわないのです。「惜しいと思いつつ省略する」などの選択肢にすれば、違った結果になったのではないでしょうか。

「凡例」は文化庁ホームページの国語調査の「概要」には載っていませんが、漢字の読みを問うた5語のうちの1語です。それによると「はんれい」61.3%、「ぼんれい」 28.9%でしたから、この漢字クイズ回答者のレベルがうかがえますね。

最後の「若気る」は国語調査では平仮名の「にやける」で意味を聞いています。出題者はこれが本来「なよなよしたこと」とは知りませんでした。最近読んだ京極夏彦さんの「嗤う伊右衛門」でも単に笑う意味で「若気る」が使われていました。これは誤用なのか、既に意味が変化した語と捉えるべきなのか、難しいところです。辞書によると大もとは「男色の対象の少年」を意味したようです。さすがに文化庁はそう書いていませんが。

それはともかく、「若気る」の漢字はかなり難読のはずが、その割に54%とは悪くないと思いました。先に引いたブログでも「ふっふっふ、なめんなよ、毎日新聞さんよ」と書かれてしまいました。いやあ、おみそれしました。でもありがとうございます。 

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