漢字クイズ(テーマ・国字の固有名詞)結果

9月24~28日の回答割合は次の通り(★が正解)。

椙山 しょうざん 13% すぎやま★ 72% まさきやま 16%
八潮市「垳」     あくつ 56% がけ★ 27% けた 16%
磐田市「匂坂」 おおさか 37% さぎさか★ 36% におざか 26%
かんぬき 33% きど 23% くぬぎ★ 44%
金鯱城 かねしゃちじょう 9% きんこじょう★ 69% こんしゃちじょう 22%

この週のテーマは「国字の固有名詞」。

by masahiko
国字には定義が複数あり、「国語を表記するのに最も一般的だと認められている文字。日本では漢字とかな」(新明解国語辞典)という意味もありますが、ここでは「日本で作られた漢字。例、『峠』『畑』など」(同)のことです。わかりにくいので、各語の解説では「日本製の漢字(国字)」としております。

このテーマになったきっかけは、埼玉県八潮市の「垳」という地名が区画整理で「青葉」に変えられる方針に住民が反対しているというニュースでした。漢和辞典を開くと「国字」とあります。そこで地名や人名などに使われる国字はどんなものがあるのか、この機会に調べてみようと思ったのです。

正解率はその「垳」が最も低くなりました。正解の2倍以上の回答を得た「あくつ」は漢字で「圷」と書き、これも国字です。低い土地を表すそうで、茨城県にかつて「圷村」が存在しました。

「垳」に加え「匂坂」「椚」が50%以下。「匂坂」は同僚にもその名前の人がいます。なぜ「匂」が「さぎ」になるのか。調べても正解らしいのが見つからないので、考えてみました。かつて「勾坂」「向坂」という表記もあったということがヒント。向は「先」に通じ、勾は勾配の勾ですので、「先の坂」の意味で「向坂(さきさか)」といわれていた地名が、音読みでは同じ「勾坂」の字へと変わり、さらに酷似した字の「匂坂」に変化していったのでは? 根拠がない推理に過ぎませんが、いかがでしょう。

椚は埼玉県春日部市、福井県あわら市などの地名になっています。クヌギはさまざまな漢字が当てられていて、「櫟」「功刀」など割合知られた字のほかにパソコンの変換には「歴木」なんていうのも出てきて、それが福岡県大牟田市の地名という新たな発見をしました。ただしその変換辞書には「樟」はありません。隣の職場には「樟山(くぬぎやま)」という人がいるのですが……。

「金鯱城」では「しゃち」に引っかかる人は少数でした。戦前のプロ野球球団「名古屋金鯱軍」や、競馬の「金鯱賞」がそれほど有名とは思われませんので、「きんこ」の音読み同士が一番ありそうだという推測が働いたのかもしれません。解説で「鯱は日本製の漢字(国字)なので音読みは漢和辞典にないはず」と書きましたが、国字すべてがそうとは限りません。「働」は国字ですが、「ドウ」という音読みは当たり前のように用いられ、常用漢字表にも掲げられています。

「椙山」は名古屋市の学校として知られています。なお地方版で「『椙山女子大』とあるのは『椙山女学園大』の誤りでした」という「おわび・訂正」が載ったことがあります。ううむ、「椙山」の字で間違えなくてもこんなところに落とし穴が。気をつけなければ。

この例とは違いますが、どう読むか分からない字を苦労して入力する際、よく似た別の字を選んでしまう間違いは後を絶ちません。ちなみに今書いているパソコンでは「椙山」「垳」「匂坂」「椚」は素直に変換してくれます。やはり読みを正確に覚えておくに越したことはありませんね。


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