漢字クイズ(テーマ・体)結果

10月9日~12日の回答割合は次の通り(★が正解)。

痩せ肉 やせがた 10% やせぎす 29% やせじし★ 60%
体する からだする 1% たいする★ 16% ていする 83%
胸椎 きょうすい 6% きょうつい★ 94% むなしい 0%
あご★ 22% かんばせ 17% こめかみ 61%

この週は体育の日にちなみ「体」がテーマでしたが、「ちなみ」というほどには体育とは関係ない言葉が並びました。

「体する」なんて、「体」という漢字を使っているだけで体育どころか「からだ」そのものとも関係ありません。解説もノーベル化学賞の鈴木章さんについてでしたからね。しかし、それを書いたのは山中伸弥さんの受賞が決まる直前でしたから、出題者もびっくりの絶妙のタイミングになりました。

その「体する」の正解率はわずか16%。谷崎潤一郎の「文章読本」には「むずかしい文字よりはやさしい文字の方が却(かえ)って間違えられる」とありますが、それを体現する結果となりました。「体」は「てい」とも読み、「ていする」は「呈する」という同音異義語があることが紛らわしさを生んだと思われます。

これは漢字そのものは平易なのに読みが難しい例。これに対し正解率22%の「顋」は漢字そのものが難しい例です。なるべくこういう見たこともないような字は問題に出さないようにしているのですが、今回は「あご」の漢字についての偶然がきっかけで披露することとなりました。

「常用漢字にない漢字の辞典」(杉本つとむ、1986年刊)では「顎は、実をいうと“あご”の意味ではない。どこでどう間違ったか、元来、鼻筋の高くとおったところを顎というのだ」としたうえで「顋」こそ「あご」と一致するとあります。これを読んで「ほお」と思った直後、芥川龍之介「鼻」の完成原稿の写真が毎日新聞に載り、はっきりと「顋」の字が認められたのです。本来の字を用いるところはさすが芥川というべきでしょうか。

「痩せ肉」について「太り肉の方が使われる」とツイッターで反応をいただきました。まさしくその通りで、解説には反対語は太り肉と書きましたが、太り肉に対応する常用語は「痩せぎす」ではないかとも思います。それで「やせぎす」という選択肢を仕込んだのですが、ひっかかる人はそれなりにいたといえるでしょう。

「胸椎」は今回最も正解率が高い語。3択クイズは選択肢の設定によって正解率が上下するものですが、これは読み間違えようがなかったようです。「むなしい」を無理やり仕立てましたが、0%と出題者にはちょっとむなしい結果でした。

それではお体に気をつけて。

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