漢字クイズ(テーマ・秋の穂)結果

10月1日~5日の回答割合は次の通り(★が正解)。
穂薄 ほうす 12% ほすすき★ 78% ほぼ 10%
吾木香 あけび 15% ごぎょう 14% われもこう★ 72%
狗尾草 いぬたで 34% えのころぐさ★ 51% ぐびそう 15%
蒲の穂 かばのほ 8% がまのほ★ 87% かんのほ 5%
花穂 かすい★ 51% かほ 28% はなお 21%

この週は「秋の穂」がテーマでした。

10月12日の毎日新聞1面コラム「余録」によると、1935年に文化人7人が「新・秋の七草」を選んだそうです。コスモス、キク、オシロイバナ、ヒガンバナ、シュウカイドウ、アカノマンマ、ハゲイトウが新七草。今回の漢字に使ったワレモコウ、エノコログサが入っていないのが残念といえば残念です。

エノコログサは別名ネコジャラシ。どちらも名前からしてかわいらしいですよね。ネコジャラシといえば往年のNHK人形劇「ネコジャラ市の11人」を思い出します。「ひょっこりひょうたん島」の後番組ですが、リメークされ今も語られることが多いこの名作に比べ、同じ井上ひさしが手掛けたのにほとんど顧みられることがありません。フィルムが残っていないそうですが、災害からの復興が一つのモチーフだったようです。災害に負けないたくましさを雑草ネコジャラシに託していたのかもしれませんが、確認するすべは失われてしまいました。

狗尾草の読みの正解率は51%。「いぬたで」の誤答が少なくありませんでしたが、これは「犬蓼」と書いて別名がアカノマンマ。高浜虚子が「新・秋の七草」に選びました。「あかのまんまの咲いてゐる/どろ路にふみ迷ふ/新しい神曲の初め」という西脇順三郎の詩が国語の教科書に載っていたのを思い出します。

そして教科書には若山牧水の短歌「吾木香すすきかるかや秋くさのさびしききはみ君におくらむ」もありました。どちらもこの時期口ずさみたくなります。吾木香は当て字ですが語源は諸説あるようです。ただ「『我も赤いぞ!』と気張って自己主張しているから吾亦紅」という「柳宗民の雑草ノオト」(ちくま学芸文庫)の説は違うんじゃないですかねえ。牧水が「さびしき極み」というほどひっそりと咲くくすんだ色の花であり、自己主張とは無縁なのでは?

牧水の歌で吾木香に続くススキは本家・秋の七草の一つ。薄とも芒とも書きますが、これだけではいろいろな読みが可能なことなどから「穂薄」を問題にしました。

これと「蒲の穂」は4人に3人以上の割合で読めました。解説で蒲鉾(かまぼこ)の語源になったと記しましたが、今のかまぼこを思い浮かべると分かりにくかったと思います。かまぼこは昔は現在の「ちくわ」の形をしていて、竹串に魚のすり身を塗り焼いた形が蒲の穂に似ていたからカマボコといわれるようになった――と説明したほうがよかったかもしれません。

さて、辞書や百科事典でこれらの草花の説明で出てくる言葉が「花穂」ですが、思わず「かほ」と読んでしまいませんか? 穂の字は常用漢字表にも音読みがスイと掲げられるのですが、あまり使わないので盲点になっているのではないでしょうか。正解率は51%でした。

まあ、秋風に揺れる穂をながめると「かすい」という学術的な漢語よりも「かほ」でいいじゃないかという声も聞こえてくる気がするのですが……。

よい秋や犬ころ草もころころと(一茶)

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