漢字クイズ(テーマ・ウリ)結果

8月20~24日の回答割合は次の通り(★が正解)。

瓜田に履を納れず うりたにおおいをいれず 14% かでんにくつをいれず★ 74% がでんにふくをいれず 12%
蔓茘枝 つたうりえ 3% つるれいし★ 44% らいち 52%
水瓜 すいか★ 38% しろうり 11% めろん 52%
三毛門南瓜 さんもうもんなんか 2% みけかどかぼちゃ★ 72% みけもんなんきん 26%
冬瓜 おそうり 0% とうがん★ 95% とうり 5%


この週は「ウリ」がテーマ。

ウリは万葉集で山上憶良が「瓜食(は)めば子ども思ほゆ」とうたったように、古くから日本人になじみ深い食べ物です。漢字の問題としても事欠かず、ここに挙げた五つだけでなく、「糸瓜」も以前「正岡子規」のテーマで出題しています。

糸瓜についてはこんな語源説があります。江戸時代の俳人、越谷吾山の「物類称呼」(1775年刊)は、元は「いとうり」の上を略し「とうり」といったと述べたうえで「或人の曰(あるひとのいわく)」と続けます。「へちまといふ名は とうり より出たり 其故(そのゆえ)は とうり の と の字はいろはの へ の字と ち の字の間なれば へち の間 といふ意にて へちま となつくる」(岩波文庫)

広辞苑でも触れられている説ですが、いささか出来過ぎの感があり、国語学者には受け入れられていないようです。大槻文彦は明治時代の辞書「言海」で「強牽ナラム」(こじつけだろう)とばっさり。金田一春彦さんも「あてにならない語源説」(「ことばの歳時記」新潮文庫)としています。しかし、ではなぜ「へちま」になったのか、これといった定説はないようです。

さて今回の漢字ですが、もっとも正解率が低かったのが「水瓜」とは予想外でした。「西瓜」だとやさしすぎるので、「言海」では第1表記のこの漢字にしたのですが、今ではほとんど使われなくなったことが、この数字からうかがえます。

「蔓茘枝」も正解が半数以下。ニガウリの別名としては「ゴーヤー」が一般的になり、ツルレイシなんて誰もいわなくなったためでしょう。ちなみに「ゴーヤー」か「ゴーヤ」かが分かれるため、毎日新聞では「ゴーヤー」に統一しました。沖縄では「ゴーヤー」に強いこだわりを持つ人が多いようです。

「三毛門南瓜」は「南瓜」だけだと簡単すぎると思って産地名を付けました。ところで「なんきん」というカボチャの別名について、こんなツイートをいただきました。「南京錠、南京豆等の単語を考えると南京は中国の代名詞みたい。どうして『南京』でしょうね」

本当に、どうしてでしょう。「日本国語大辞典」には「南京」は「近世、このあたりの地一帯、ひいては中国のことをもいった」とありますが、なぜ中国の代名詞となったかは記されていません。想像の域を出ませんが、江戸時代は日本との交易は主に南京を通してだったので、日本では舶来の珍しい品に「南京」をつけるようになったのではないでしょうか。カボチャが南京産だったという証拠も見いだせません。単に「南の方から来た」というイメージだけで「南京」と言われるようになったと思われます。

しかし、「南京豆」「南京錠」も最近あまり聞かなくなりましたし、共通語化が進んだ今はカボチャのことを「南京」と言う人も少なくなっているのではないでしょうか。

時代が変われば名称も変わります。ゴーヤーのように沖縄方言が勢力を拡大する例がある一方、死語となる言葉も数限りありません。そういえば「言海」では「南瓜」はポルトガル語に由来する「ボウブラ」を見出し語にしています。そのうえで「京ニテハ、誤リテ、かぼちゃトイフ。大坂にて、ナンキン」とあります。言葉の栄枯盛衰がうかがえますね。


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