=森田剛史撮影
五輪ごとに登場する新しいマスコット。今回のロンドン五輪は鉄から生まれた「ウェンロック」です。さて、突然ですが、ウェンロックを数える場合、どういう助数詞がいいのでしょうか。「個」「人」「体」それとも……。

毎日新聞用語集「助数詞の基準」によると、不定形な物品・物体、選択に迷う物品・物体は「個」を使うこととしてあります。ウェンロックをモチーフにしたキーホルダーや人形を「個」で数えることには何の違和感もないと思うのですが、着ぐるみやアニメにでてくるウェンロックまで「個」で数えることにはおかしな感じがします。

「数え方の辞典」(小学館)を開いてみると「マスコット」の項目は見あたりませんでしたが、人形の数え方として「人間の形状をしているものは原則として『体』で」との記述がありました。さらに「人間に見立てて『人』で数えることも」ともあります。こうなると、ウェンロックを「人」と数えることも許されそうです。

ぬいぐるみについて「通常は『個』『つ』で数えるが、人間が中に入るぬいぐるみ(着ぐるみ)は『体』で数える」とも書かれています。しかし、これは人がその中に入るものとしての、いわば「容器」としての数え方で、人間と着ぐるみが一体となったものの数え方とはいえないような気がします。

鉄から生まれたという設定に立ち返って、「ロボット」の項目も引いてみました。「原則として『台』で数えるが、人間に近い形状・機能を持つものは『体』『人』でも数える」との説明があります。

なかなか、これといった結論がでにくいのですが、子供がぬいぐるみに感情移入して生き物扱いするように、マスコットの数え方も、それに対する思い入れにより「個」であったり「体」であったり「人」であったりするのだと思います。さて、ウェンロックですが、一度に「何人」も登場する場面はめったにないでしょうから、仕事で悩むことはなさそうです。
【稲益達朗】



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