漢字クイズ(テーマ・天)結果


5月21~25日の回答割合は次の通り(★が正解)。

天岩戸 あまのいわと★ 81% あめのいわど 17% てんがんこ 2%
天望 たかのぞみ 4% てんぼう★ 59% てんもう 38%
天を摩する あまをまする 11% あめをまする 10% てんをまする★ 79%
下天 くだりあま 6% かてん 17% げてん★ 77%
化天 かてん 31% けてん★ 57% ばってん 12%

この週のテーマは「天」でした。

最近この字をやたらと見かけるような気がします。映画「劇場版SPEC~天~」、一天にわかにかき曇っての雷や竜巻など不順な「天候」、そしてもちろん「天体ショー」金環日食に、「天を突くタワー」東京スカイツリー開業……。

そのスカイツリーの展望台に付けられた名称が「天望デッキ」「天望回廊」。「天望」は見慣れない語ですが、大漢和辞典にこの言葉を見いだして出題しました。正解率はスカイツリー自体の高さほどには高くありませんでした。それにしても、この名称を決める時に「縁起でもない意味」と指摘する人は誰もいなかったのでしょうか。普通の「展望」でも人気は衰えることはないと思うのですが。

「天岩戸」は日食にちなんだ問題。今年は古事記成立から1300年というからみもあり、「天」とも関連が深い古事記から出題しました。結果ですが「あま」か「あめ」かは予想以上に迷う人が多かったようだという印象です。

「下天」「化天」はともに織田信長にからんで。「天文」年間に生まれ「天正」年間に亡くなったというのが偶然にしても、天下を目指した戦の天才は「天」のテーマにふさわしいといえるでしょう。しかし、信長が舞ったという「人間五十年……」のフレーズは有名ですが、その後の言葉は何が正しいのか、これまで考えたことがありませんでした。

きっかけは「アストロ球団」という70年代の野球漫画を読み直したことです。主人公の超人たちを向こうに回し一騎当千、獅子奮迅の活躍をするリョウ坂本(かっこいい!)というライバルがいるのですが、「敦盛」を吟じつつ登場するシーンで「化転(けてん)のうちにくらぶれば」と書かれてありました。あれ、こんな字だっけと司馬遼太郎「国盗り物語」を見るとやはり「化転」。一方、津本陽「下天は夢か」のように「下天」とする本や、「化天」とする辞書もありました。これは原典に当たらねばと思って能「敦盛」の本を調べてもそんなくだりは出てきません。うかつにもこのフレーズは能の「敦盛」ではなく舞踊「幸若(こうわか)舞」だと知らなかったのです。

結局、平凡社の東洋文庫「幸若舞」で「化天」、角川文庫「信長公記」で「下天」と確認できました。しかし、「化転」とする資料は見つかりませんでした。辞書では化転は仏教語で「人を教化して悪を善に転じさせること」。人間の一生は夢まぼろしのごとくなりと謡う文脈にそぐわないはずです。しかし「化転」の表記は、漫画は論外としても司馬遼太郎だけでなく複数の文学作品で使われているようです。これもありなのか? 気になるところです。
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