漢字クイズ(テーマ・原発関連の要注意地名)の結果


5月7〜12日の回答割合は次の通り(★が正解)。

大飯郡 おおいぐん★ 88% おおいいぐん 10% おおばんぐん 2%
原町区大甕 はらのまちくおおかみ 12% はらまちくおおがめ 50% はらまちくおおみか★ 38%
小川原駅 おがわはらえき 17% おがわらえき 66% こがわらえき★ 16%
羽咋郡志賀町 うぐいぐんしかまち 13% はくいぐんしかまち★ 66% はさぐんしがまち 21%
牡鹿郡女川町 おがぐんめがわまち 7% おがぐんおながわちょう 52% おしかぐんおながわちょう★ 41%

この週は5月5日の「全原発停止」のニュースを受けたものです。漢字の読みのクイズでは福島第1原発事故の起こる前にも、原発の固有名詞で出題したことがありました。「柏崎刈羽原発」「伊方原発」「川内原発」などです。その時だったか、同僚が「原発の名前って難読が多いですね」とつぶやいた記憶があります。それこそが、原発を過疎の地にしか建てられず私たちがあまり関心を持ってこなかったことを端的に表すものだった、と今にして痛感します。

さて今回は、原発関連の固有名詞の「ねじれ」ともいうべき点に注目して選びました。前述の同僚の言に倣えば「原発関連には間違えやすい固有名詞が多い」ともいえます。漢字クイズには挙げておりませんが、佐賀県の「玄海原発」は「海」で「玄界灘」は「界」、青森県の「東通原発」は東京電力と東北電力が敷地を所有し現在定期点検中なのは東北電力で建設が中断されたのは東京電力の方――など、表記や事実関係のややこしさを挙げると枚挙にいとまがありません。

校閲にとって、いやマスコミにとって固有名詞の間違いはいうまでもなくあってはならないものです。郵便なら「石川県羽昨郡」と誤記してもちゃんと届くでしょうが、新聞では「訂正」が必至。かくいう出題者も、かつて見出しで「羽昨」の間違いに気付かず訂正記事を出したという苦い記憶があります。「羽昨」の誤字を入力した編集者は、「はくい」と打ちさえすれば正しく変換してくれるのにその読みを知らず、一字一字打って間違えたのでしょう。正しい読みを知らないということは、アナウンサーほど罪が意識されないかもしれませんが、誤字を生む一因ともなるのです。

そういう意味で今回の「牡鹿郡女川町」の正解率41%は最も注意を促す数字といえるでしょう。新聞では郡名は基本的に書かないのですが「牡鹿半島」などの地名としては何度も登場しています。「おがはんとう」と打つと「男鹿半島」と変換し秋田県のことになってしまいます。ぜひ覚えておいてほしいと思いました。

最後に、以前校閲の同僚だった人の話を少し。彼は校閲に異動になる前は原発の記事をよく書いていたのですが、電力会社のチェックが厳しくて、少しでも発表と違うことを書くとすぐ指摘されたそうです。もちろんマスコミとして間違いは許されません。ただ、そういうチェックもいいが、電力会社自身のチェックはどうなっていたのだろう――と、事故が起こってしまってからの後付けですが、思わずにはいられません。
(Photo by Nekosuki600)
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